皆さんこんにちは!
特養で勤務してます、介護福祉士のケイです。
本日は、勤務先の介護施設の違法行為を匿名で通報し、労働環境を改善する方法について記事にしようと思います。私が過去に行ったものであり、実際に労働環境が改善されました。
現状を変えたい!!しかし、運営側からの報復(仕返し)が怖い、目をつけられたら仕事がしづらくなる、匿名で通報しても効果があるのか、とお悩みの方に読んでいただきたいです。
どうして通報しようと思ったのか?
簡単に言うと、勤務先の特養の労働環境が良くありませんでした。そのためなんとかして改善したいと考えたからです。
そして、なぜ通報しようかと思ったのかと言うと、法人内で運営側に文句言っても叩かれたり、いじめのターゲットにされて辞めさせられる恐れがあるだけですからね。
自分の身の安全を守りつつ、職場環境を変えるためには、外部に通報するのが手っ取り早いと思いましたし、それが一番安全かなと。私が勤務していた特養の労働環境がどうであったのか、具体的に順に述べていきます。
タダ働きの時間外勤務が当たり前になっている職場の気風を変えたかった。
遅番(12:00〜21:00)を例に出します。勤務時間は、12:00〜21:00ですが、遅番の介護職員は、午後から利用者さんの入浴介助を担当することになっています。
基本的には13:00以降に入浴介助が始まります。
12時台は、昼食介助があります。そのため、昼食を終え次第、入浴が始まります。こういった施設は多いと思います。
昼食の介助を終えた後にスムーズに入浴介助を行うためには、浴室の準備をすませておかなければなりません。
浴槽に湯を張ったり、新しい着替えを用意する、暖房をつけておく、、、など。
この入浴前の準備がちゃんとできていないと、入浴介助がスムーズに行えずに、翌日に入浴延期者がでてしまうわけです。
介護施設で勤務されたことがある方ならおわかり頂けるかと思いますが、入浴延期者は極力減らしたいですよね。もちろん、入浴延期者はゼロがベストなわけです。
入浴延期者をゼロにするためには、午後からの入浴介助をスムーズにスタートさせる必要があります。
そのためには、入浴準備を行っておく必要があります。
とはいえ、じゃあ誰が入浴準備をするのかという話です。
手が空いている介護職員なんていませんよねw 手が空いているぐらいの余裕の運営状況ならば、そもそも入浴延期者なんてでないと思います。カツカツ運営だから入浴延期者がでるんです。
てことで、遅番が勤務前に、午後からの入浴介助に備えて準備をしておく、というのが私が勤務していた特養の慣習になってました。
以上の話は、遅番の介護職員が出勤前にタダ働きで仕事をするということですが、早番でも、夜勤でも、タダ働きで仕事をせざるをえないという状況はいくつかありました。
『雇われている従業員は、組織のために奉仕する!!』という考え方を変えたかった。【パワハラ撲滅】
昭和の時代であれば、珍しくは無かったかもしれませんが、今は時代が違います。
私が勤務していた特養は社会福祉法人で、地元で昔からある地域の有力者が運営している団体でした。特養以外にもいくつか介護施設を運営しています。
法人のトップが『従業員を雇ってやっている』という意識が強いため、従業員は組織のために尽くして当たり前!!という考え方です。
なので、従業員(介護職員、生活相談員、ケアマネージャーなどの全ての職種)をこき使っていましたwww
法人のトップが昭和時代の人間なので、時間外勤務に対しては残業代を払わなければいけないという考えが無かったのもあります。昔は残業代をろくに払わずともみんな残業していましたからねwww 今となっては信じがたい時代です。
そのため、法人のトップは『いかに人件費をおさえて、利益を生むか』ということに重きを置いた法人運営を行っていました。まぁ、この点に関しては、事業運営としては当たり前なんですけどね。
しかし、『いかに従業員をタダ働きをさせるか』というスタンスだったので、問題かなと思います。
こんなんだから、サービス残業、タダ働きの環境ができてしまい、皆さん無給で働かせられていました。
なんとかして改善したかったですwww
ベテラン職員が絶対的に偉いという職場の雰囲気を変えたい
運営側の人間ではない介護職員であっても、長い間法人にいると自然と運営側の人間と仲良くなり(媚を売っているw)、何かトラブルが起こったときでも守ってもらえるようになります。
具体的には、利用者の事故報告(服薬ミス、転倒、怪我など)があった場合、新人職員の主張よりもベテラン職員の主張を運営側が信じるようになります。
人間なので、ちょっとした不注意で事故を発生させてしまうということはあります(もちろんダメですけどw)。ヒューマンエラーを防止するために様々な対策がとられていますが、それでも想定外のことが発生した場合、事故はおこります。
そういった時に自分の保身のために、ウソの事故報告を上司にするというベテラン介護職員がいました。もちろん極一部に。それでも問題ですけど。
で、運営側がどこまでそういった状況を把握しているのかはわかりませんが、新人介護職員が真実を事故報告として上司にあげても、ベテラン介護職員の話の内容と異なった場合は、ベテラン介護職員のことを信じるというのが運営側の方針でした。
そのため、無実の罪をきせられて納得できずに退職していった新人介護職員もいました。
けっこうめちゃくちゃですよね。でも、実際にこういった職場でした。
新人だろうと、ベテランだろうと、役職ついた介護士だろうと、ミスはする!!(もちろんダメだけど)
いくつかお話ししましたが、他にももちろん納得のいかない点は多々あります。
こういった職場環境を改善したいと思い、通報することを決意しました。
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通報するときにおさえるポイントは?
通報してどうしてもらいたいのか?
それは、改善に向けて対応してほしい、ということですよね。
では、どういった通報をすれば、対応してくれる可能性が高くなるのかについてお話しします。
施設が違法行為を行っているということを強調する
通報するといっても、個人的な感情をぶつけても対応してくれる可能性は低いと思います。
だって個人的な感情だなんて、「あの人が嫌い」「私の仕事は大変なのに、運営側はわかってくれない」程度のものですよね。それだけでは、対応してくれる可能性は低いです。
通報先は、労働基準監督署、市役所(福祉課や労働課)、都道府県庁(福祉課や労働課)です。そういったところは重大な違反から優先的に対処していきます。解決しなければいけないことが山積みになっているため、とても全部を全部対応していたらきりがないわけです。
たくさん通報が寄せられる中で、どうやって自分の勤務先の施設の対応をしれもらうのか?
それは、しっかりと法律違反であるということを明記し、根拠法令、どういった点が違法なのかを示すということが重要になってきます。
時間外労働の状態化であれば、労働基準法違反であることを明記すると有効です。
通報先は?
私が勤務していたのは、社会福祉法人が運営する特別養護老人ホームでした。
ですので、県や市から運営上の優遇措置を受けているということで、県、市に通報すれば対応してくれると考え、県と市の福祉課と労働課に通報しました。
また、労働基準監督署(以下、労基)にも通報しました。
労基は働く人の味方ですからね。違法労働を取り締まっています。
県庁(福祉課、労働課)、市役所(福祉課、労働課)、労基の合計5箇所に、Wordで作成した匿名の告発文を郵便ポストに投函して送りつけました。
匿名でも対応してもらうためには?
よくインターネット上で『匿名の通報は意味がない』という意見をみますが、本当にそうでしょうか?
私はそうは思いませんでした。
なぜかと言うと、テレビのニュース番組で、「匿名の通報により、本件が発覚したとのことです。」というのを見たことがあったからです。
そりゃもちろん、身元を名乗って通報したほうが良いですし、身元を名乗って通報したら、ほぼ100%対応してくれます。
なぜかと言いますと、県、市、労基は、違法行為を取り締まるのが仕事ですから、対応しなければならないわけです。
私は匿名の通報でも対応してもらうためには、どうすれば良いのか考えました。
結論としては、告発文書の中に『現在の労働環境が悪すぎて職員が疲弊しきっている。このままでは、いつ介護職員による利用者への暴力事件がおこってもおかしくない。』という文言を入れよう!!と考えました。
悲しいことに全国的に介護職員による施設利用者への暴力事件というのが、たびたび起きています。
ニュースで報道されるたびに、コメンテーターが「どうすれば防げるのでしょうか」とコメントしています。
そう、『どうすれば暴力事件を防げるのか?』
それは、未然に暴力事件がおこりそうであれば対応すること!!だと私は考えます。
その事前に対応するというのが、職場の労働環境を改善し、職員のストレスを軽減させれば、介護職員による利用者への暴力は防ぐことができる!!と。
ですので、『労働環境が悪いため、いつ介護職員による利用者への暴力事件がおこってもおかしくない。』という文言を告発文書の中にいれました。
高齢者虐待防止法に基づいての通報であるということをアピールする
後述しますが、高齢者虐待防止法という法律があります。
この法律の趣旨は、国民、都道府県、市町村には高齢者の虐待を防止する義務、通報、対応する義務があるというものです。
対応しなければ法律違反ですよ!!という、いわば脅し文句に近い文言を入れることで、対応する必要があるとアピールします。
匿名で身元がバレずに通報する方法について
私は身元がバレることなく通報し、施設の労働環境を改善することに成功しました。
その方法をお話しします。
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郵便ポストに投函する
古典的な方法ですが、私は郵便ポストに投函しました。
インターネットや、電話は身元がバレますからね。
郵便ポストは匿名性が非常に高いので有効です。
パソコン(Word等)で文書作成する
手書きだと個人の字の書き方の癖がでますからねw
告発文書、宛先、全てパソコンで作成します。
宛先は送付先の郵便番号、住所を印刷した用紙から切って封筒にはればOKです。
指紋がつかないように、使用する物品を取り扱うときは全て手袋を着用
送付するための封筒、告発文書を印刷するための紙、郵便ポストに投函するとき、全てに手袋を着用して行いましたw ちょっと大げさですけどねw 指紋採取は犯罪捜査の時以外は行われることはありませんが、念には念を入れてw
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匿名で勤務先の特養を通報した後の話
郵便ポストに投函してから1ヶ月もしないうちに、勤務先の特養で緊急の介護士リーダー会議が行われました。
運営側から『業務内容見直し』の説明がありました。
簡単にまとめると、
・勤務時間外は仕事をしない
・仕事を終えたら早く帰る
・良好な人間関係を構築するよう努める
・悩み事があればすぐに上司や先輩に相談する
・休憩時間を適切にとる
・有給を消化する
みたいな感じの内容でした。
どれも法律上当たり前に労働者に保証された権利なんですが、私がいた職場はそうではありませんでした。まぁ、日本全国の多くの介護施設がそうではないかなぁと思います。
通達を受けた時は「本当に効果あるのかな?」と半信半疑でした。
しかし、本当に運営側の態度や方針が変わって、それまでの時間外労働やパワハラ的雰囲気がなくなりました。
まさかここまで効果があるとは!!と驚きました。
ただ、有給消化については、こればかりは従業員の人数の関係もあるので、有給消化100%は無理かなぁと思いました。
それでも、以前と比べて有給休暇が取りやすくなったのは間違いないので、本当に良かったです。
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どうして匿名の通報でも効果があるのか?【根拠法の紹介】
高齢者虐待防止法
高齢者虐待防止法では、次のとおり、都道府県、市町村、国民に対して高齢者虐待を防止するための責務等を定めています。
以下、厚生労働省ホームページからの引用です。
3 高齢者虐待の防止等に対する各主体の責務等
高齢者虐待防止法では、高齢者虐待の防止、高齢者虐待を受けた高齢者の迅速かつ適
切な保護及び適切な養護者に対する支援を行うため、国及び地方公共団体、国民、高齢
者の福祉に業務上又は職務上関係のある団体及び従事者等に対する責務が規定されて
います。
3.1 国及び地方公共団体の責務等
国及び地方公共団体は、高齢者虐待の防止、高齢者虐待を受けた高齢者の迅速かつ
適切な保護及び適切な養護者に対する支援を行うため、以下の責務が規定されていま
す。
○国及び地方公共団体は、関係省庁相互間その他関係機関及び民間団体の間の連携の強化、
民間団体の支援その他必要な体制の整備に努めること(第 3 条第 1 項)。
○国及び地方公共団体は、支援が専門的知識に基づき適切に行われるよう、これらの職務
に携わる専門的な人材の確保及び資質の向上を図るため、関係機関の職員の研修等必要
な措置を講ずるよう努めること(第 3 条第 2 項)。
○国及び地方公共団体は、高齢者虐待に係る通報義務、人権侵犯事件に係る救済制度等に
ついて必要な広報その他の啓発活動を行うこと(第 3 条第 3 項)。
3.2 国民の責務
国民は、高齢者虐待の防止、養護者に対する支援等の重要性に関する理解を深める
とともに、国又は地方公共団体が講ずる高齢者虐待の防止、養護者に対する支援等の
ための施策に協力するよう努めなければなりません(第 4 条)。
3.3 保健・医療・福祉関係者の責務
高齢者の福祉に業務上又は職務上関係のある者は、高齢者虐待を発見しやすい立場
にあることを自覚し、高齢者虐待の早期発見に努めなければなりません。また、国及
び地方公共団体が講ずる高齢者虐待の防止のための啓発活動及び高齢者虐待を受け
た高齢者の保護のための施策に協力するよう努める必要があります(第 5 条)。
3.4 市町村の役割
高齢者虐待防止法では、高齢者虐待の防止、高齢者虐待を受けた高齢者の迅速かつ
適切な保護及び適切な養護者に対する支援について、市町村(「特別区」を含みます。
以下同じ。)が第一義的に責任を持つ役割を担うことが規定されています。
市町村の役割として規定されている項目は、以下のとおりです。
高齢者虐待防止法に規定する市町村の役割
■ 養護者による高齢者虐待について
①高齢者や養護者に対する相談、指導、助言(第 6 条)
②通報を受けた場合、速やかな高齢者の安全確認、通報等に係る事実確認、高齢者虐待対応
協力者と対応について協議(第 9 条第 1 項)
③老人福祉法に規定する措置及びそのための居室の確保、成年後見制度利用開始に関する審
判の請求(第 9 条第 2 項、第 10 条)
④立入調査の実施(第 11 条)
⑤立入調査の際の警察署長に対する援助要請(第 12 条)
⑥老人福祉法に規定する措置が採られた高齢者に対する養護者の面会の制限(第 13 条)
⑦養護者に対する負担軽減のための相談、指導及び助言その他必要な措置(第 14 条)
⑧専門的に従事する職員の確保(第 15 条)
⑨関係機関、民間団体等との連携協力体制の整備(第 16 条)
⑩対応窓口、高齢者虐待対応協力者の名称の周知(第 18 条)
■ 養介護施設従事者等による高齢者虐待について
①対応窓口の周知(第 21 条第 5 項、第 18 条)
②通報を受けた場合の事実確認等
③養介護施設従事者等による高齢者虐待に係る事項の都道府県への報告(第 22 条)
④高齢者虐待の防止及び被害高齢者の保護を図るための老人福祉法又は介護保険法に規定
する権限の適切な行使(第 24 条)
■ 財産上の不当取引による被害防止(第 27 条)
①養護者、親族又は養介護施設従事者等以外の第三者による財産上の不当取引の被害に関す
る相談の受付、関係部局・機関の紹介
②財産上の不当取引の被害を受け、又は受けるおそれのある高齢者に係る審判の請求
この他、市町村では、介護保険法に規定する包括的支援事業として高齢者虐待の防
止、対応の義務の実施が義務づけられており、高齢者虐待防止法と相まって運用して
いくことが必要となります。
3.5 都道府県の役割
都道府県の役割は、以下のように規定されています。
高齢者虐待防止法に規定する都道府県の役割
■ 養護者による高齢者虐待について(第 19 条)
①市町村が行う措置の実施に関し、市町村間の連絡調整、市町村に対する情報の提供その
他必要な援助
②必要があると認められるとき、市町村に対して必要な助言
■ 養介護施設従事者等による高齢者虐待について
①高齢者虐待の防止及び被害高齢者の保護を図るための老人福祉法又は介護保険法に規定
する権限の適切な行使(第 24 条)
②養介護施設従事者等による高齢者虐待の状況、対応措置等の公表(第 25 条)
引用元:厚生労働省ホームページ
そのため、都道府県、市町村、個人は高齢者虐待を知ったときは、対応をしなければなりません。
『このままでは介護職員が疲弊し、いつ高齢者虐待が起きてもおかしくない!!』と強調すれば対応してくれると私は考えました。
ちゃんとした根拠法があるため、行政側も動く必要があるということです。
労働基準法
もちろん、労働基準法という労働者を守るための法律の存在も大きいです。
サービス残業は労働基準法違反であるが、職場ではそれがまかり通っている!!とアピールすると有効です。
匿名でブラックな職場を通報する話はいかがでしたか?
現在ブラックな職場環境でお悩みの方の参考になれば幸いです。
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