こんにちは。介護福祉士のケイです。
本日は、介護士のみなさんが気になる、給料について、国の統計データをもとに見ていこうと思います。
世間一般では「介護士は給料が安い」というイメージだと思いますが、実際のところはどうなのか、統計データをもとに、イメージではなく、正確な実態を見ていきましょう。
介護士の平均月収、平均年収、手取り額はどれくらい?
介護士の平均月収は約25万円、平均ボーナスは約52万円です。
年収にすると約353万円になります。
ほかの職業の平均年収と比較しても決して高い給与水準ではないといえます。
しかし、国としても介護現場の従事者を増やす施策として処遇の改善に努めており、年々給与も改善傾向にあります。
給与の改善については、十分な成果が表れているとは言えません。
ですが、国の政策の方針によって、大きく状況が変わる可能性もあるといえます。
また、介護職の平均的な手取り額(月給から所得税や住民税、社会保険料、労働保険料などを控除した後の金額)については、およそ18万円〜20万円程度です。
手取りの金額は、月給の7割〜8割程度の額になることがほとんどです。
介護職員の平均年齢は、43.8歳
平均勤続年数は 7.6年
平均年収は 約353万円
平均月収は 約25万円
平均ボーナスは 約52万円です。
出典:厚生労働省「令和3年賃金構造基本統計調査」
男女によって給料に違いが出てくる?
介護士の給料は性別によってやや異なります。
女性、男性にわけてみていきましょう。
【女性介護士】
平均年齢 45.8歳
平均勤続年数 7.7年
平均年収 約338万円
平均月収 約24.1万円
平均ボーナス 約49.2万円
【男性介護士】
平均年齢 40.3歳
平均勤続年数 7.3年
平均年収 約379万円
平均月収 約26.8万円
平均ボーナス 約57.3万円
女性介護士の年収は約338万円。男性介護職の年収は約379万円です。
男性より女性の年収の方が低くなる傾向があります。
男性の場合は、正社員で働く方が多く、家族手当、住宅手当も支給されるため、女性よりも収入が多くなる傾向があります。
また、正社員として勤務していると、年に複数回の賞与があるため、その点でも給料に差が出るといえます。
出典:厚生労働省「令和3年賃金構造基本統計調査」
勤務先によっても給料に違いが出てくる
施設形態別の介護職の平均年収・平均月収について見ていきましょう。
「令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果」によると、介護老人福祉施設(特養)では345,590円、介護老人保健施設では338,390円となっています。
要員としては夜勤勤務があるからだといえます。
夜勤がある施設形態の平均月収は、全体の平均月収と比較しても高い金額となっています。
平均年収400万円を上回る施設についても、介護老人福祉施設(特養)と介護老人保健施設のみとなっています。
一方で、日勤のみの勤務となる通所介護事業所は278,180円、比較的小規模な施設である認知症対応型共同生活介護事業所(グループホーム)は、291460円と全体の平均月収を下回る結果となっています。
職場によって給与差はありますが、それぞれの施設形態の給与データの傾向を知っておくと、今後転職を検討する際に一つの参考になるかと思います。
左が平均給与額(月収)、右が平均給与額(年収)を示しています。
全体
316,610円 3,799,320円
介護老人福祉施設(特養)
345,590円 4,147,080円
介護老人保健施設
338,390円 4,060,680円
訪問介護事業所
314,590円 3,775,080円
通所介護事業所
278,180円 3,338,160円
特定施設入居者生活介護事業所
319,760円 3,837,120円
認知症対応型共同生活介護事業所
291,460円 3,497,520円
出典:厚生労働省「令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果」
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kaigo/jyujisya/21/dl/r03kekka.pdf
非正規介護士(パート、アルバイト)の給料は?
介護士として働いてる方々の中には、非正規雇用(パート・アルバイト)で働いている方も多くみえます。
パート・アルバイトの介護士の時給については、特養や老健、有料老人ホームのような入所施設の場合は、時給が1,000円を超えています。
これは、比較的介護度が高い利用者が多く、専門的なケアが必要なため、働く職員に専門性の高さが求められるためと考えられます。
訪問介護事業所はこの中で一番高い1,260円となっていますが、業務を自分一人で対応することが多く、訪問介護事業所で働くためには初任者研修以上の資格を所持している必要があります。
経験・スキルともに高い水準が求められるため、高い時給が設定されています。
時給平均(非常勤)
全体 1,110円
介護老人福祉施設(特養) 1,010円
介護老人保健施設 1,030円
訪問介護事業所 1,260円
通所介護事業所 990円
特定施設入居者生活介護事業所 1,040円
認知症対応型共同生活介護事業所 990円
出典:厚生労働省「平成29年度介護従事者処遇状況等調査結果」
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kaigo/jyujisya/18/dl/29kekka.pdf
資格や研修受講によっても給料に差がある
資格や研修受講の有無について見てみると、年収や月収はどうなっているのでしょうか。
「令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果」を見てみると、介護福祉士の場合月給は 328,720円、実務者研修の場合は 307,330円、初任者研修は300,510円となっています。
資格を全く有していない場合は 271,260円となっており、介護福祉士と比較すると5万円以上の差が出ているようです。
介護士として長く勤務していく場合は、資格を取得することが給与上昇の近道と言えるでしょう。
平均給与額(月収) 平均給与額(年収)
介護福祉士 328,720円 3,944,640円
実務者研修 307,330円 3,687,960円
初任者研修 300,510円 3,606,120円
保有資格なし 271,260円 3,255,260円
出典:厚生労働省「令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果」
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kaigo/jyujisya/21/dl/r03kekka.pdf
さいごに
いかがでしたか。介護士として働くうえで給料は非常に気になるところですよね。
介護士というと給料が安いというイメージがあります。しかし、全ての介護士の現場で給料が安いかと言うと必ずしもそうとは言い切れません。
実際に、職場や雇用形態、資格や研修の受講、夜勤の有無によって給料に大きく差がついてくつのが特徴であるといえます。
勤務先を決定するにあたっては給料も大きく影響をうけます。
より良い待遇の職場で働くためには、職場選び、資格取得や研修受講、雇用形態をしっかりと考える必要があります。
引用参考:コメディカルドットコムホームページ
【番外編】介護士が年収400万円を達成させる方法
世間的には介護士は給料が安いというイメージを持たれていると思いますが、全ての介護士の給料が安いかというと、必ずしもそうとは言えません。
『給料が安い』という、安いの定義は人によって感じ方は異なると思いますし、地域によって給料に差があるのはあります。
介護士で年収400万円を達成する、というのはひとつの目標ではないかと私は思います。
介護士で年収400万円を達成させるために、重要な条件をこちらの記事にまとめました。
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