驚きの判決!介護施設に2365万円の支払い命令、ゼリー誤嚥による窒息死の事件

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こんにちは。介護福祉士のケイです。

介護施設で施設の利用者さん(90代、男性)がゼリーを喉に詰まらせて窒息し、死亡してしまうという事故がおきてしまいました。

この事故について、遺族側と施設運営側とで裁判が行われました。

詳細について、見ていきましょう。

裁判の詳細

広島市佐伯区の介護施設において、2021年7月に入所していた90代の男性がゼリーを誤って喉に詰まらせて窒息し、それが原因で亡くなりました。

施設の職員が男性の誤嚥を防ぐ義務を怠ったとして、男性の長男は施設を運営する社会福祉法人に対し、3465万円の損害賠償を求める訴訟を提起しました。

この訴訟の判決が6日、広島地裁で言い渡されました。裁判長は施設側の一部の責任を認め、法人に2365万円の支払いを命じました。

判決によれば、ゼリーを提供する職員は他の入所者に食事を提供しており、男性が誤嚥した状況に気付いていませんでした。

もし職員たちが適切な措置を講じていれば、この事故は防げた可能性があると指摘され、誤嚥を防ぐ措置を怠ったことの重大な責任が認められました。

一方で、心臓マッサージなどの救命処置は適切に実施されたとの判断が下され、男性側の主張した救護義務違反は認められませんでした。

男性は2021年7月20日、施設内の食堂での食事中にゼリーを誤って喉に詰まらせ、窒息して意識を失い、病院に搬送されたが、最終的には亡くなりました。

判決後、男性の長男は中国新聞の取材に対し、「施設の責任が認められて良かった。父の死を無駄にせず、再発防止に真剣に取り組んでほしい」と述べました。

一方、施設側は「適切な対応を取っていたと信じており、判決には不服を申し立てる予定です」と述べ、控訴する意向を示しました。

ネットの意見は?

『年齢や基礎疾患は記事に書かれてないが、大きな関連事項、問題だ。
自宅で家族介護の際にもこういうことは日常的に起きていて、救急車を呼ぶ場合もあるし、自宅での死亡診断となることもある。
自宅での家族の介護では、もちろん家族が罪に問われるわけでもない。
施設入所だからといって、完全・最善の介護体制が保証されているというわけではない。こういうことも起こりうると許容することはできないのか?
こういう判例を作ってしまったら、世の中困るように思う。』

『介護に関わる仕事をしています。
こういったニュースをみるとつらくなります。
嫌なら自分たちで見ればいい!という意見も少し違うように感じるし。
でも実際に想定以上な事が起こることもあり、
1番は誤嚥のリスクなど誰にでもあり、誤嚥のリスクが高くても食事介助をしなくちゃいけない場面が多々あります。
毎回物凄く緊張します。
原因追求などはしっかりとされ、施設側に説明責任はあるとおもいますが、賠償金には違和感を覚えます。』

『施設で働く時、訴訟された場合の損害賠償保険に個人負担で加入できるようになっている。
これは、訴訟されれば、介護職はどこからも守られることはなく、個人で被告になるということです。
くだらない6000円の賃上げ案より、強制加入保険にして、その費用を国が負担するようにした方が良い。そうすれば利用者は国を相手に訴訟することになる。結果、このような支払い命令は出なくなると思います。』

『施設で働いてる私からしたら私達にも家族がいて大切な人がいる 利用者の家族にはプロだからとクレームばかりの人もいる 大切な人を守りたいのは誰もがそう思うけど これだけは忘れないで欲しい 貴方達のお父さんお母さんが認知症だからと言って日々私達に暴言を吐き暴行を働いてること、なのにそれは罰されない 私たちは見守りロボットじゃない 私達に完璧を求めるのであれば先ずは自分の家族くらい自分たちで面倒を見てそれから頼って欲しい』

『自宅で介護したら、家族は働けないし、気が滅入ってしまう。
じゃ、どこか介護施設に預けるにしてもお金はかかる。
90歳も過ぎれば、そこで亡くなることは分かるだろう。
仮に自分の親だとしても、それで介護施設側に数千万円の訴えをするだろうか。
亡くなられたことは残念ですが、死ぬことを誰かの責任に押し付けてるだけなよう。
もちろん、喉に詰まらせたのが原因なのでしょうけど。
自分で介護して、喉を詰まらせたら、誰を訴えれば数千万円も手にできるかって。そんなことはない。
そう考えると、子どもも老人も、施設に預けた方がラクだし、訴えられるからほんとラク。って思えちゃう。
医療や介護には、訴えてほしくないけどなぁ。』

『ゼリーで窒息する様な方は誰がみてても窒息します。再発防止など不可能ということです。こういう記事が出るたびに、世の中の介護職不足が加速するだけです。
家族は家でみれないから施設に預けたのですよね?家でみてたらもっと早く亡くなってますよね?その分だけでも長く生きさせてくれた施設に恩義を感じないのですか?
判決側ももっと社会的な意見や声を調べて対応を見直してほしいです。』

◆引用はYahoo!ニュースコメント欄から

Yahoo!ニュース
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気になるポイント

気になるのが、『ゼリー』というのが、どの程度のゼリーなのかですね。

90代の利用者に、スーパーで販売しているような、いわゆるふつーのゼリーを提供していたのでしょうか??

だとしたら、それは問題な気がします。

90だけど、元気だから!!とかいうのは通用しないと思います。介護度が高くない方でもゼリーで窒息ということは充分に考えられます。

しかし、この『ゼリー』というのが、介護食などの、嚥下機能が低下した方むけのものであれば話は別であると思います。

嚥下機能が低下した方むけのゼリーであれば、窒息事故は起きにくいと思います。

しかし、窒息事故が起きてしまったということは、利用者の嚥下状態を適切に判断できていなかったということになってしまいます。

しかし、だからといって、施設側の落ち度であると認定してしまえば、今後介護施設では、ゼリー食は一切提供できないという方向に変わりかねません。

口腔機能、嚥下機能が低下してしまうと、自分の好みのものを食べることが出来ず、食事の選択の幅が狭くなっていきます。

食事の選択の幅が狭くなっていくなかでも、介護食メーカーや介護施設は、高齢者に食事を楽しんでもらいたいと、いろいろな食事形態、食事方法を試行錯誤しています。

今回の裁判所の判決結果は、高齢者の食の楽しみの選択を狭くしてしまいかねないものだと思います。

窒息事故を起こさないためにも、どうすればいいのか?

では、どうすれば、高齢者施設で窒息事故を防ぐことができるのでしょうか。

今回の事件をもとに考えてみると、二つあげられます。

1つは、利用者の嚥下機能、口腔機能に見合った食事形態のものを提供する。もう一つは、窒息事故がおきてしまった場合、速やかに救護活動を行う、ですね。

やはり日ごろから利用者の嚥下機能の評価は重要ですよね。食べづらそうにしていないか、食事摂取量が落ちているが食べにくさからくるものではないか、等、利用者の様子をしっかりと観察しましょう。

そして、もし万が一、窒息事故が起きてしまった場合に備えて、日ごろから窒息事故への想定訓練を行うことが大切です。窒息していると疑われる利用者への対処法を施設全体で決めておくことが大切です。
具体的には、勉強会や新入職員研修などで、実技研修を行っていくことが有効であると考えられます。

介護施設で起きている事故への裁判

ほかにも介護施設で起きた事故に対して、裁判が行われています。

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