こんにちは、介護福祉士のケイです。
私の勤務している施設ではいないですが、ネット記事や、投稿、テレビのニュースなんかではたびたび外国人介護士を目にします。
海外から日本に出稼ぎに来る外国人、とくにアジア系の外国人が多いように思います。
人手不足の介護現場ではとてもありがたい存在だと思うし、言葉もわからない国での就労は本当に大変でしょうし、頭が下がります。
今のところ、日本てアジア圏の方々からしたら、出稼ぎの対象になる国だと思います。
しかし、現在円安や日本経済の衰退などから、いつまでも外国人が介護士として働かないのではないかなと思っています。
本日は、外国人が介護士として日本で定着して働いてくれるのかについて記事にしようと思います。
なぜ以前と比べて外国人介護士が増えたの?
近年、介護現場で外国人の介護士を目にすることが増えてきました。これは、日本の高齢化が進み、介護職員の不足が深刻化していることが背景にあります。
具体的には、以下の3つの理由が挙げられます。
日本の高齢化が進む
日本の総人口は減少傾向にあり、その一方で高齢化は急速に進んでいます。2025年には、高齢者が人口の3割を超える「超高齢社会」になると推計されています。
高齢化が進むと、介護が必要な人が増えます。しかし、介護職員の不足は深刻で、2023年には38万人の介護職員が不足すると推計されています。
外国人介護士の受け入れ制度が整備される
日本政府は、介護職員の不足を解消するために、外国人介護士の受け入れを拡大しています。2019年には、介護福祉士の資格を取得した外国人に対する在留資格「介護」を創設しました。
この在留資格は、介護福祉士の資格を取得している外国人が、介護施設で即戦力として働くことができるものです。
外国人にとって介護の仕事が魅力的になる
介護の仕事は、日本のほかの業界と比べて給与水準が低いことが課題です。しかし、近年は介護業界の給与水準が徐々に向上しており、外国人にとって魅力的な仕事になりつつあります。
また、介護の仕事は、やりがいを感じられる仕事として、外国人からも注目されています。
このように、日本の高齢化、外国人介護士の受け入れ制度の整備、介護の仕事の魅力の高まりが、外国人介護士の増加につながっています。
外国人介護士の受け入れには課題もある
日本語能力や日本の文化への理解が不足していること、仕事の定着率が低いことなどが課題として挙げられます。
今後は、これらの課題を克服しながら、外国人介護士の活躍を促進していくことが重要です。
外国人介護士の活躍は、日本の高齢化社会を支える上で欠かせないものとなっています。
日本語能力や日本の文化への理解を深める支援や、仕事の定着率を高める取り組みなどを通じて、外国人介護士が活躍できる環境を整えていく必要があります。
外国人介護士が仕事を辞めて、日本から母国に帰ってしまう理由
近年、日本の介護現場で働く外国人介護士が増えています。しかし、その一方で、仕事を辞めて母国に帰ってしまう外国人介護士も少なくありません。
円安と日本の介護士の過酷な労働環境が、外国人介護士の帰国理由の一つと考えられます。
円安により、日本円の価値が下がると、外国人介護士が日本で稼げるお金も減ってしまいます。また、日本の介護士の労働環境は、長時間労働や低賃金、精神的負担が大きいなど、過酷な部分があります。
具体的には、以下の理由が挙げられます。
給与や待遇が母国と比べて劣る
日本の介護士の給与水準は、他の先進国と比べて低い傾向にあります。また、残業や夜勤などの割増賃金が少なく、実質的な給与はさらに低くなることもあります。ひどい介護施設だと残業代が全然でないところもありますからね。
労働時間が長く、休みが少ない
日本の介護士の労働時間は長く、休みが少ない傾向にあります。また、夜勤や休日出勤なども多く、プライベートの時間を確保するのが難しいこともあります。
精神的な負担が大きい
介護の仕事は、高齢者の身体介護や生活支援を行う仕事です。そのため、体力的な負担だけでなく、精神的な負担も大きい仕事です。
奉仕の精神の無理じい
日本人特有の奉仕の精神を押し付けすぎな気もします。介護士という仕事を選んだのは、自分の生活の手段のためであり、高齢者に尽くしたいと思う人は少ないのではないでしょうか。仮に高齢者のためになる仕事がしたいと思っても過剰に求めるのは働くモチベーションを下げることにつながりますよね。
これらの理由により、外国人介護士は、日本での生活や仕事を続けることが難しくなり、母国に帰国する決断を下すケースが増えているのです。
今後、日本の介護業界が外国人介護士の定着を図るためには、以下の取り組みが必要と考えられます。
給与や待遇の改善
日本の介護士の給与水準や待遇を、他の先進国と比べて遜色のない水準に引き上げることが重要です。外国人は特に海外の介護士労働状況を知っていますからね。海外と比べるというのは必然だと思います。
労働環境の改善
労働時間を短縮し、休日を増やすなど、労働環境を改善することが重要です。特に日本の介護士業界は奉仕の精神を強要していると思います。
「サービス残業をしてでも良い介護ケアを提供しよう!!」なんてのは日本の悪しき慣習だといえます。
外国人介護士のサポート体制の充実
日本語能力や日本の文化への理解を深める支援、メンタルヘルスのサポートなど、外国人介護士が日本で生活・働きやすい環境を整えることが重要です。
日本の高齢化社会を支えるためには、外国人介護士の活躍が欠かせません。今後、これらの取り組みを通じて、外国人介護士が日本で活躍できる環境を整えていく必要があります。
でも、残念ながら、日本人の介護士の待遇が改善されていないので、外国人介護士が定着するというのは難しいんじゃないかなと思います。
外国人介護士はどこの国の人が多いの?
厚生労働省の「令和4年度外国人介護人材の受入れ状況」によると、日本で働く外国人介護士の母国は、以下のとおりです。
1位:フィリピン(22,808人)
2位:インドネシア(19,290人)
3位:ベトナム(15,204人)
4位:中国(8,236人)
5位:ネパール(5,277人)
この5か国で、日本で働く外国人介護士の約8割を占めています。
フィリピン、インドネシア、ベトナムは、日本と経済連携協定(EPA)を締結しており、介護福祉士の資格取得を目指す外国人に対する在留資格「特定活動」が設けられています。この在留資格は、介護福祉士の資格を取得すれば、介護施設で即戦力として働くことができるものです。
中国は、介護福祉士の資格取得を目指す外国人に対する在留資格「技能実習」が設けられています。この在留資格は、3年間の技能実習を経て、介護福祉士の資格を取得することができます。
ネパールは、介護福祉士の資格取得を目指す外国人に対する在留資格「特定技能」が設けられています。この在留資格は、介護福祉士の資格を取得すれば、介護施設で5年間働くことができます。
今後も、日本の高齢化が進むにつれて、外国人介護士の受入れは拡大していくと考えられます。
海外の介護士の給料事情はどうなんでしょうか?
フィリピン、インドネシア、ベトナム、中国、ネパールの介護士の給料と日本人の介護士の給料の平均的なものを、統計データなどを用いてご紹介します。
◆フィリピン
フィリピン労働省の「2022年労働統計」によると、フィリピンの介護士の平均月収は15,000ペソ(約35万円)です。
◆インドネシア
インドネシア労働省の「2022年労働統計」によると、インドネシアの介護士の平均月収は3,000万ルピア(約26万円)です。
◆ベトナム
ベトナム統計総局の「2022年労働統計」によると、ベトナムの介護士の平均月収は5,000万ドン(約26万円)です。
◆中国
中国国家統計局の「2022年労働統計」によると、中国の介護士の平均月収は4,000元(約6.8万円)です。
◆ネパール
ネパール中央統計局の「2022年労働統計」によると、ネパールの介護士の平均月収は20,000ルピー(約2万円)です。
ここで日本の介護士の給料を見てみましょう。
◆日本
厚生労働省の「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果」によると、日本の介護士の平均月収は256,610円です。
これらのデータから、日本人の介護士の給料は、フィリピン、インドネシア、ベトナム、中国、ネパールの介護士の給料と比べると中央あたりにあると言えます。
なお、各国の介護士の給料は、国や地域によってばらつきがあります。例えば、フィリピンでは、都市部と農村部で給料に大きな差があります。また、経験年数や資格の有無によっても、給料は変わってきます。
以上のことから、各国の介護士の給料は、国や地域によってばらつきがあることがわかります。日本よりも給料が良い国もあれば、給料が安い国もありますね。
また、日本の介護士の給料は、近年は徐々に向上傾向にあります。これは、日本の高齢化が進むにつれて、介護士の需要が高まっているためと考えられます。
海外の方が日本で介護士として働いてくれるのはとてもありがたいですよね。このまま日本で働いて、介護現場を支えてくれるといいなと願っています。
【番外編】日本人介護士が年収400万円を達成するための方法
話はちょっとずれますが、介護士として年収400万円というのは、目指すべき水準のひとつだと思います。
居住地域によっては年収400万円を達成するのは難しい話ではないこともありますし、逆に地域によっては賃金が安い場合は年収400万円を達成するのはなかなか困難ではないかとも思います。
統計データ、介護福祉士の私の実体験などを用いて記事を書きました。参考になれば幸いです。
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