【セクハラ】高齢者を加害者扱いしにくい訪問介護現場?

介護業界ニュース

こんにちは。
介護福祉士のケイです。

介護士として働いていると、常につきまとうのがハラスメントの問題だと思います。

利用者や家族からうける、カスタマーハラスメント。
職場の同僚や上司から受ける、パワーハラスメント、モラルハラスメント。
女性介護士が利用者(主に男性)からうける、セクシャルハラスメント。

今日は、セクシャルハラスメントについて取り上げた記事を紹介しようと思います。

ご紹介記事はこちら

以下、記事の引用です。

ヘルパーが利用者からセクハラを受けても我慢するべきなの? 高齢者を加害者扱いしにくい訪問介護現場の苦悩

体が不自由になっても認知症になっても、できるだけ自宅で生活を続けたいと望む高齢者を支えるのが訪問介護を担う「ホームヘルパー」だ。デイサービスや特別養護老人ホームなど、施設で働く介護職員と決定的に違うことがある。それはサービスを利用する人の家に1人で行き、排泄や入浴などの身体介護、調理や掃除など生活援助を行う点だ。

 訪問先は密室なので、ハラスメントを誘発しやすい環境であることは、以前から指摘されていた。特にヘルパーは女性が多く、男性の利用者からセクハラを受けるケースも少なくない。現場で何が起きているのか、どうすれば改善を目指せるのかを追った。(共同通信=山岡文子)


 ▽背後から抱きつかれる

 一般的な訪問介護のイメージは「穏やかな高齢者と優しく見守るヘルパー」かもしれない。しかし全く違った光景も現実にある。

 首都圏の介護事業所で働く50代の女性ヘルパーAさんが、自身の体験や報告を受けたケースを話してくれた。約12年の経験があり、ヘルパーをまとめる責任者でもある。

ある男性の入浴介助に行ったときのことだ。男性は自分で体を洗えるため、介助が必要なときだけヘルパーが助け、それ以外は見守ることになっていた。しかし男性はAさんに自分の陰部を突き出し「洗ってよ」と言った。Aさんは「私は外で待ってます。終わったら声をかけてください」と伝え、その場を離れたという。

 「利用者は裸で、ヘルパーはぬれてもいいようにTシャツや短パンなど、肌の露出が多い服装でケアに当たっています。こういう状況で利用者にスイッチが入るような気がします」

 調理中に後ろから抱きつかれた同僚も何人かいた。「そんなときは自分の身を守るために逃げていいんです」と話す。「お年寄りを突き飛ばして、けがをさせては」とちゅうちょするヘルパーにも「やめてください」と言って距離を取るよう指示している。

 「すぐに事業所に報告するように、いつも伝えています。もし食事の準備が途中までしか終わってなくてもかまいません」。状況次第で、その日のサービスを中止することもある。


▽最悪の事態とは

 仕事だから我慢しなければならないのだろうか。

 「絶対にそんなことはありません」と、Aさんは即答した。セクハラを受ければ、改善に向けて事業所全体で話し合い、男性ヘルパーや、対応にたけた熟練の年配ヘルパーに代える。

 「LGBTQなど性的少数者への配慮も必要なので『男性ヘルパーに代えればいい』と思っているわけではありません。『年上の女性ヘルパーなら大丈夫』だと安易に主張したいわけでもありません。でも起きたことを放置して、ヘルパーが心に傷を負ったり、そのことが原因で辞めたりするのは最悪です」

 Aさんは屋外で被害に遭ったこともある。利用者の男性に「握手しよう」と言われて手を差し出すと「今から一緒にどう」と誘われた。男性の手の中には畳んだ札が見えた。

 

▽家族にも話したほうがいいのか?

 背後から抱きつかれたケースでは、利用者から「亡くなった妻に似ていたから」「自分の好みだったから」などの釈明があったという。

どこまで家族にも伝えるかのかは判断が難しいとAさんは考える。

 「お父さまがセクハラをしたことを、娘さんに伝えたことがあります。その娘さんはお父さまにひどく怒り、事業所に菓子折りをもって謝罪に来られました」。家族関係を壊しかねない状況になってしまい、後味の悪い体験になった。

 「セクハラに限らず、ハラスメントはなくならないと私は思います。だからこそヘルパーを守りたい。でも、どうすればいいのか、いつも悩みます」


▽なんでもやるお手伝いさん?

 ヘルパー歴32年の藤原るかさん(67)も複雑な心境だ。「ヘルパーは、利用者と信頼関係を築きながら、人生に寄り添うやりがいのある仕事です」と話す。「でも、つらいときもありますね。セクハラだけではありません。つえで殴られたり、物を投げつけられたりしたこともあります。利用者の家族から、あり得ないほど細かい要望をたびたび受けると、心が折れそうになることもあります」

藤原さんは自身の体験をまとめた「介護ヘルパーはデリへルじゃない」を2019年に出版。ヘルパーに対する社会の偏見がハラスメントを容認していると考える。例えば「なんでもやるお手伝いさん」「女性なら誰でもできる家事の延長」といった表現だ。介護業界の中でさえも「セクハラをかわすのはスキルのうち」といった誤った風潮が残っていると感じる。「ちょっと出口が見えない気がします」


▽自分の家でもアダルト雑誌はだめなのか

 ハラスメント対策は最初が大事だ。「事業所内だけでなく、ケアマネジャーへの報告も必要です」と松田綜合法律事務所(東京)の鈴木みなみ弁護士は強調する。「そうしなければ、他のヘルパーに被害が広がったり、ハラスメントがエスカレートしたりする可能性があるからです」。

 鈴木さんは、2022年度に東京都が作成した介護現場で起きるハラスメント対策に関する動画で解説を担当。福祉現場でのハラスメントに詳しい。


介護保険制度に基づいた訪問介護サービス内容や時間は細かく決まっている。事業所はヘルパーに「できること」と「できないこと」を明確に理解してもらうことが大切だという。

 理由はサービス外の業務をやるヘルパーとやらないヘルパーがいると、利用者が「あの人はやってくれたのに」いう不満を持ち、ハラスメントのきっかけになる恐れもあるからだ。

 利用者や家族に「何がハラスメントに当たるのか」を重要事項説明書などで明確に伝えておくことも必要になる。

 例えば、アダルト雑誌をわざとヘルパーの目につくところに置くケース。利用者にとっては「好きなことができる自分の家」なので、何をしてもいいと思うかもしれない。しかしヘルパーにとっては「職場」だ。

 「故意にアダルト雑誌をヘルパーに見せれば、それはセクハラに該当します」と鈴木さんは説明する。

もしハラスメントがエスカレートしたら「ヘルパー自身と利用者とのやりとりの録音を検討してください」と鈴木さんは話す。この場合、相手の同意は必要ない。「利用者のプライバシーに配慮することは当然必要ですが、できるだけ証拠を残すことはとても大切です」


▽利用者が認知症なら

 ヘルパーが利用者からハラスメントを受けたときの対応の中でも難しいのは、利用者が認知症のケース。厚生労働省が公表する職員向け研修の手引きには、認知症の人による暴言や暴力は、認知症による行動・心理症状(BPSD)として対応することを求めており「ハラスメントとは別の医療的なアプローチが必要」と記載されている。

 しかし「認知症に起因する暴言、暴力であっても、職員の安全に配慮する必要があることには変わりない」とも記載されており、対応の困難さがにじむ。

 利用者からのセクハラや暴言や暴力などを理由に、事業所は契約を解除することはできる。しかしサービスを停止すると利用者の命にかかわる可能性もあるため、ハードルは高い。

 労働組合「日本介護クラフトユニオン」(東京)の村上久美子副会長は、こう話す。
 「認知症の人による暴言や暴力も、ヘルパーが不快に感じる性的な言動も、現場だけで対応するのは難しい場合があります」「ですから契約を交わす前から事業所が主治医としっかり連携しておくことが極めて重要です」と強調する。そうすれば現場で問題が起きても薬の変更などの改善方法がないか、一緒に検討できるからだ。

しかし、こうした対策が全ての事業所で徹底されているわけではない。村上さんは「困ったら、介護クラフトユニオンに相談してください」と呼びかける。

 一方、介護職員による高齢者の虐待も深刻な問題となっている。村上さんは「虐待が許されないのは言うまでもありません。しかしそこに至る経緯に目を向ける必要があると思っています」と話し、職員の虐待と利用者によるハラスメントは、密接に関連していると考える。「ハラスメントが積もり積もって虐待になったケースもあります。利用者の人権も、介護職の人権も守るという視点が社会に必要なのではないでしょうか」


▽誰が一番困るのか

 外から分かりにくい、こうした問題に私たちはどう向き合えばいいのだろうか。

 介護現場に詳しい淑徳大学総合福祉学部の結城康博教授は「人手不足が深刻なため、多くの事業所では、職員がやめても、すぐに補充ができるわけではないという厳しい現実を知ってほしいです」と話す。「人手を確保できなければ、提供しているサービスを断らざるを得ないし、受け入れたくても受け入れられなくなってしまいます」

 利用者に向けてはこう注文した。「介護に携わる人に敬意をもって接してほしいです。小さいことだと思われるかもしれませんが、利用者一人一人の生活を一人一人の介護職が支えているわけです。『金を払っているのだから当たり前』ではなく、モラルが必要だと思います」

 結城さんと日本介護クラフトユニオンの村上さんらは、現場の問題を提起する「介護現場でセクハラ・パワハラを起こさない!」を2022年に出版した。日本介護クラフトユニオンの電話番号は03(5730)9381。

以上、過去のヤフーニュースから引用でした。
引用元の記事はこちらから。

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ネットの反応は?

この記事によせられた、ネットのコメントをご紹介します。

『こういうのがあるから受け入れたくない高齢者ってのは一定数いるんですよね。

自分の周囲でもセクハラはしなくてもわがままが多いとかいちゃもんつけやすいとかで、奥さんが頑張って介護されてる家庭があります。

もちろん女性高齢者でも色々トラブルはあるんですが、男性はいかんせん力が強い。 年をとってもやはり力はあるので、そこが課題です。

命というのはどこまで大事なのか、ケアしないといけないのかという点については、きれいごとではなく、家族もお金を出してるからというのではなくきちんと考えるべきことかと思います。

イギリス王室だって態度が悪いとスタッフが辞めたりするトラブルが発生するわけで、一般庶民ならもっとあるのは当然。

お金を払えば何でもしていいという考え方は大きな間違いです。使う方にも節度と礼儀が必要です。』

『利用者の方もそんな方ばかりではないと理解していますが、トラウマになっています。

看護学校の老年の施設実習中、個室のトイレ介助で胸を触られました。

当時、自分も若くショックでシクシク泣いてしまいました。(気付いたヘルパーさんが窘めてはくれました。)

このことがあってから、高齢者の領域は行きたくないと思いました。

一時的に携わった訪問入浴では、麻痺のある手で胸を触られそうになりました。(動きが緩慢だったため、よけました。同席されていた奥様に謝罪されました。)

病院では、よくしてくださっていた患者さんに胸の名札に手を伸ばされて、身体を引いて逃げてしまいました。

後から『名前を見たかった』と言われましたが、疑ってしまう自分がいました。

定年を迎えた先輩方には、高齢者施設に勤める方もいらっしゃいますが、正直なところ自分は出来ないと思っています。』

『すごい極論なんだけど施設訪問限らずに介護する時は録音したら駄目なのかな?

電話でカスタマーセンター何かに問い合わせする時は「サービス向上のためこの電話は録音させて頂きます」とガイダンスが流れる

これが個人的に悪質なクレーマー対策に思ってしまうけど余計なトラブルを減らせるならあっていいと思う

録音が介護現場の介護士から暴言暴力の抑止力になりそうだし利用者の過度な暴言暴力の証拠(法律的に証拠能力があるかなわからないけど)になると思うので抗議し易くなると思う

こういってはあれだがわざわざ調理中に抱きつくとかしてくる人が重度の認知症とは思えないな…』

高齢者、認知症であってもセクハラは絶対に許すべきではない

ニュース記事の中でもふれられていましたが、高齢者や認知症、サービス利用者だからといって、セクハラが許されるということは絶対にありません。

また、介護士業界にありがちな『利用者からの発言をうまくかわしてこそ、一人前』という風潮も新人職員が上司や先輩に相談しにくい環境を作ってしまっていると思います。

利用者、家族からのセクハラは絶対に許すべきではない!!悪質な場合は警察に通報する!!このような気持ちがまえで利用者、家族と接するべきだと思います。

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