【介護士】利用者や家族から受ける暴言暴力、セクハラへの対処法【NO!ハラスメント】

介護現場のおはなし

こんにちは。
特養で勤務しています、介護福祉士のケイです。

介護士として働いている中で、利用者や家族から嫌なことを言われたり、されたりしたことがないという介護士は少ないと思います。

本日は、『利用者や家族だからといって、暴言暴力、セクハラは許されるはずはない!!』ことについて記事を書いていこうと思います。

介護現場の実態や国がどのようなスタンスをとっているのか、具体的な対処法としてはどのようにすればいいのか?についてまとめました。

現在介護士として働いていて、利用者や家族の対応に悩んでいる方にぜひとも読んで頂きたいです。

介護現場でのセクハラ、危険な実態について

先日、訪問介護士が訪問先の利用者から抱き着かれたという事件の裁判がありました。

この事件について報道したネットのニュース記事を、引用してご紹介します。
以下、ニュース記事の引用です。

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訪問介護の現場は密室で二人きりになることが多く、セクハラなどの性暴力が起きやすいとされる。国は現場スタッフの安全を守るため、各事業者が取り組むべき内容を強化。独自の取り組みを進める自治体もある。介護現場の人手不足が深刻化する中、識者は「加害行為が横行すれば、さらなるなり手不足を招き、ケアの低下につながる」と危機感を示す。

 「怖くて頭が真っ白になり、レイプされるかもしれないと思った」

 福岡地裁で24日に実刑判決を受けた被告の男から被害を受けたヘルパーの女性は、今年2月の公判でそう振り返った。介護職に就いて10年超。事件後は1人暮らしの男性宅を訪問できなくなり、収入が減少した。「つらかったし、悔しかった」。涙声で訴えた。

 労働組合「日本介護クラフトユニオン」(東京都)によると、業界内には「利用者だから仕方ない」「セクハラを受けるのも仕事のうち」「かわせないと一人前じゃない」といった風潮が根強い。村上久美子副会長は「相談のしにくさから泣き寝入りする人は多い」と言う。

 厚生労働省が2018年度に定めた対策マニュアルは、事業者にはスタッフへの安全配慮義務があると明記。19年の実態調査では、前年に利用者から体を触られるなどのセクハラ被害を受けたと答えたのは、訪問介護従事者(1269人)の24%に上った。ただ実際には介護現場の性被害が表面化することは少ない。

 こうした状況を受けて同省は対策を強め、21年度にはセクハラ対策などを事業者に義務付けた。ただでさえ人手不足が懸念される介護現場の離職や、新規就労者が敬遠するのを回避するためでもある。

 兵庫県や埼玉県はヘルパーと利用者が二人だけになるのを防ぐため、複数人で訪問した際に補助金を出す独自の制度を設けた。聖隷クリストファー大(浜松市)の篠崎良勝准教授(介護労働)は「介護職への性暴力が相次ぐ背景には、職業や女性に対する蔑視もある。事業者は契約段階からやってはいけない行為を利用者に認識させ、定期的に啓発していく必要がある」と強調した。 (坪井映里香)

福岡地裁「信頼関係に背く行為」

 福岡地裁は24日、訪問介護で自宅を訪れていたヘルパーの40代女性に抱き付くなどしたとして強制わいせつ罪に問われた福岡市の無職小倉親男被告(72)に、懲役1年6月(求刑懲役2年6月)の判決を言い渡した。

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以上、引用でした。

訪問先で利用者に抱き着かれて、とても怖い思いをされたと思います。

介護士の方はこの事件の後、一人暮らしの男性の家に訪れるのが怖くなってしまい、仕事ができなくなってしまったとのことです。

心中お察しします。とても怖いですよね。

介護施設であれば、利用者に襲われるようなことがあったとしたら、同僚が助けてくれます(だとしても怖いですが・・・)。

訪問介護は単身で利用者の家に行くということも珍しくないと思います。

そういう仕事環境の中で、このような事件がおきてしまうというのは、介護士の身の安全が保障されているとは言えない状況です。

引用元の記事はこちらから

「利用者だから仕方ない…」性被害潜む訪問介護の現場、ヘルパーの安全守るには | 西日本新聞me
訪問介護の現場は密室で二人きりになることが多く、セクハラなどの性暴力が起きやすいとされる。国は現場スタッフの安全を守るため、各事業者が...訪問介護の現場は密室で二人きりになることが多く、セクハラなどの性暴力が起きやすいとされる。国は現場ス...

上司に相談して言われる、「あなたの対応方法が悪い」は、おかしい!

利用者からの暴言暴力をうけた介護士が上司や先輩に相談すると、こう返してくる上司や先輩がいます。

「それはあなたの介護技術が未熟だから、そういうことになってしまった。」
「声かけは問題なかったのか?」
「しっかりと相手の話を傾聴することが大事。」
「利用者の暴言暴力、セクハラをうまくかわせてこそ一人前」

こう言われたことありませんか?

おかしいですよね。

いくら認知症であるとはいえ、暴言暴力が許されるわけはありません。

たしかに、介護士側も声かけの内容や、関わり方を見直す必要はあるかもしれません。

でも、根本的に、暴言暴力は絶対にダメなんです。だって犯罪ですからね。

食事介助中に叩かれる。暴力ですよね?
オムツ交換を拒否しようとして腕をはたかれる。暴力ですよね?
ベッドから車椅子に移乗しようとしたら、腕をつねくられる。かみつかれる。暴力ですよね?
暴力は暴行罪(怪我したら傷害罪)という犯罪行為です。

女性の介護士の胸やお尻をさわったらセクハラです。
というか、強制わいせつ罪です。犯罪行為です。

介護士のケア方法に問題がある、関わり方、声かけの方法に問題がある、、、。
そういうことじゃないですよね。犯罪ですよね。

このことを施設側はもっと重く受け止めるべきであると、私は思います。

厚生労働省が本腰を入れて対策をとっている

以前から介護業界では「認知症の人だからしょうがない」「利用者からの暴言暴力、セクハラをうまくかわせてこそ一人前」という謎の風潮がありました。

しかし、これではいっこうに介護業界が良くなりません。

今後ますます不足してくる介護職員問題を解決するためにも、一度介護士となった方が介護業界から去っていかないように、国をあげて、ハラスメント対策に本腰をいれるようになりました。

その指針がこちらです。

介護現場におけるハラスメント対策

この『介護現場におけるハラスメント対策』では、利用者や家族からのハラスメントに介護事業所がとりくんでいくようにと定めた指針です。

被害にあっているという証拠、記録を残そう!!

利用者や家族から暴言暴力、ハラスメントを受けたら、まずは第一に、上司や先輩に報告、相談をしてください。

被害を受けているということを職場全体で共有しましょう。

そして、もっとも大事なのは、利用者や家族から暴言暴力やハラスメントを受けているという事実をしっかりと残しておくことです。

具体的には、、、
・ボイスレコーダーやスマートフォンなどで、利用者や家族の言動を録音し、証拠として記録しておく。
・どういったことを言われたのか、暴力をうけたのかをメモ帳やノートなどに書いてまとめておく。日付や時間帯も記録しておきましょう。被害を受けた時の内容は詳細に記録しておきましょう。

こうした記録も上司や先輩に訴えるときに有効的です。

また、最悪の場合は警察へ被害届を提出するということもおこりえます。

そういう場合に、暴言の内容が音声として証拠として残っていると、警察に届け出がしやすいです。

さいごに

いかがでしたか。

先ほども述べましたが、介護業界は利用者や家族からの暴言暴力、ハラスメントを黙認している風潮があります。

昔に比べたら改善傾向にあるとは思いますが、それでもまだ、改善がされていくスピードは決して速いとは言えないと思います。

利用者との関わり方についての見直しは大事です。

しかし、暴言暴力やハラスメントは絶対にダメです。

被害にあってしまい、「上司や先輩に相談したけど、自分の関わり方、介護技術を否定されてしまった。自分に問題があったのかな?」なんて思うことがあるかもしれません。

そんなことはありません。暴言暴力、ハラスメントをする人がいけないんです。

泣き寝入りする必要はありません。被害を証拠として残し、戦いましょう!!

介護事業所は働いている介護士を守る必要があります。厚生労働省も介護事業者に対して、ハラスメント対策を講じるよう、通達を出しています。

このことを介護事業所に訴えかけていきましょう。

もし、相談しても、介護事業所が解決に向けて動こうとしないのであれば、最悪の場合は転職して、あらたな職場で心機一転頑張るというのもひとつの選択肢ではないでしょうか。

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