【虐待】ナースコールが鳴らないように電池を抜いた介護職員が処分された【ネグレクト】

介護業界ニュース

こんにちは。
特養で働いている介護福祉士のケイです。

先日、特養でナースコールが鳴らないようにしていたということが発覚し、虐待であると認定され、職員が処分されるという事件がありました。

この事件について考えてみたいと思います。

どういう事件なのか?

この事件は多くのメディアで取り上げられています。

そりゃそうですよね。

ナースコールというものは、ベッドで寝ている人が困ったときに介護職員や看護師を呼ぶためにあるものですから。

本来の目的を果たせなくなってしまっています。

この事件を取り上げているニュース記事を見ていきましょう。

以下、ニュース記事の引用です。

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特養入居者のナースコール、夜間に鳴らぬよう機器交換…「虐待」と判断し介護職員処分

長野県中野市や飯山市など6市町村でつくる北信広域連合は15日、同連合が運営する特別養護老人ホームふるさと苑(中野市)で、30歳代と40歳代の女性介護職員計4人が、入所者1人のナースコールが夜間に鳴らないよう、機器を取り換えていたと発表した。

中野市の調査で「虐待」と判断されたのを受けて、同連合は同日付で職員4人を戒告の懲戒処分とし、上司の男性職員2人を訓告とした。

同連合によると、入所者の1人が夜間、頻繁にナースコールで呼び出すものの、押したことを記憶していなかったり、理由がないのに押したりしていたという。

このため、4人の介護職員は昨年7月下旬~8月上旬、夜間にナースコールが鳴らないよう電池を抜いた機器と取り換え、1時間に1回巡回し、見守りを続けていたという。

昨年8月19日、この入所者が施設の事務室に「押しても鳴らない」と申し出たことから発覚し、同連合は内部調査後に中野市に通報。

同市は職員への聞き取りや施設への立ち入り調査を行い、同連合は同10月28日に改善計画書を市に提出したという。

同連合は「発覚後すぐに、同様の虐待行為を未然に防ぐための研修を行った。職員教育の徹底に努めたい」としている。

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以上、引用でした。

引用元の記事はこちらから

特養入居者のナースコール、夜間に鳴らぬよう機器交換…「虐待」と判断し介護職員処分
【読売新聞】 長野県中野市や飯山市など6市町村でつくる北信広域連合は15日、同連合が運営する特別養護老人ホームふるさと苑(中野市)で、30歳代と40歳代の女性介護職員計4人が、入所者1人のナースコールが夜間に鳴らないよう、機器を取り

なぜナースコールが鳴らないようにしてしまったのか?

ニュース記事によりますと、この利用者は夜間に何回もナースコールを押す常習者だったみたいです。

特に用事があるわけでもないのに、何度もナースコールを押されては、介護職員としてはとても大変ですよね。

わたしも夜勤中にナースコールを何回もおす利用者と関わったこともありますし、ナースコールが鳴らないようにしたくなる気持ちもわからなくもないです。

でもナースコールが鳴らないようにしてしまってはダメですよね。

もし大事な用がある場合や、生命の危険がある場合に助けを求めることができなくなってしまうわけですから。

心の中で「ナースコールが鳴らないようにしたい!!」と思っても実際にナースコールが鳴らないようにしてしまうのは絶対にダメです。

用もないのにナースコール連打は介護職員への虐待

このニュース記事の最後に、運営元は「発覚後すぐに、同様の虐待行為を未然に防ぐための研修を行った。職員教育の徹底に努めたい」とコメントをしています。

虐待を未然に防ぐための研修って、どういうものですかね?

ネグレクトは虐待です。ナースコールが鳴らないようにするのは虐待です。

とかいうものでしょうか。

そんなことは誰だってわかっています。

今回の事件で処分された介護職員もわかっていたはずです。

では、なぜナースコールが鳴らないようにしてしまったのでしょうか。

それは、夜勤中に用がないのに何度もナースコールを押されては業務に支障が出るからです。

夜勤中はやることがたくさんあります。

多くの入居者さんのオムツ交換、トイレ誘導、巡視、書類整理・・・。

夜勤で入居者さんが寝ている間も介護職員は起きて仕事をしないといけません。

入居者さんが寝ているからといって決して暇ではないんです。やらないといけないことがたくさんあります。

そんな中で一人の入居者のたいして用もないナースコール連打は介護職員への虐待といっても過言ではないといえます。

施設入居時に、施設管理者から「特に用もないのにナースコール連打は業務の妨げになるからやらないでください。」と入居者さんに伝えてほしいです。無理でしょうけどw

ナースコールを連打する入居者への対処法

わたしも特養で勤務していますので、用事もないのにナースコールを連打する入居者の対応は過去に何度も対応したことがあります。

発狂するかもと言っていた同僚もいましたw

ナースコールを連打する入居者がいる場合は、とにかく記録に残すことを行っていきましょう。

介護施設では経過記録に入居者の食事量、排泄状況、バイタルサインなどを記入していくと思います。

経過記録にナースコールを連打する状況を記入することで証拠の保全を行います。

経過記録に記入された内容は証拠として法的に認められています。

そのため今回のように事件化された場合に入居者の日ごろの様子として法的に証明できる記録内容があるというのはとても重要です。

日常的にナースコールを連打する入居者にたいして我慢ができずにナースコールが鳴らないようにしてしまったという証明になります。



正直なところ、ナースコールを連打する入居者がいたとしても、施設管理者や幹部は現場の介護職員の声を聞こうとはしないでしょう。

「入居者さんが呼んでいるんだから、対応するのが介護職員だろ!!」のひとことで終わりだと思います。

それはもちろん、その通りです。入居者さんが呼んだら対応するのは当たり前のことです。

しかしそれは、ちゃんとした理由があって呼ばれた場合に限ると思います。

用もないのに、何度もナースコールを押されては仕事が進まないし、呼ばれる介護職員の身も持ちません。

そういう現状を上司、施設管理者に伝えるためにも、経過記録に入居者の行動として記録しておくことはとても大事です。

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