食事介助をどこで行うか?居室?フロア?概日リズムやQOLも絡めて考察。

介護現場のおはなし

こんにちは。
介護福祉士のケイです。

先日、Twitterで話題になったツイートがありました。

それは『高齢者施設で食事介助をどこでするのか?』ということです。

食事介助を行う際の状況としては、ベッドでギャッジアップして食事介助を行う場合と、フロアなどの居室から出て食事介助を行う場合とに分かれます。

意見の多くを見ていると、居室から出てフロアで食事介助を行うという意見が大半でした。

実際に私が勤務している介護施設も食事介助はフロアで行っています。

居室で食事介助を行うことがゼロかというと、そうではないんですけどね。

私が勤務している介護施設では居室で食事介助を行うのは、入居者が体調不良などで他の利用者を守るため、感染対応として居室での食事介助に切り替える場合があります。

また、長時間の離床が体力的に厳しい場合は居室のベッドでギャッチアップして食事介助を行っています。

そういった特別な場合を除き、基本的にはフロアで食事介助を行っています。

居室から出てフロアで食事介助をするというのは、人間の体内時計を整えるための効果があります。

これはエビデンスがあります。

人間は常にベッド上で生活していると生活のメリハリがなくなってしまい、体内時計が狂ってしまいます。この体内時計を概日リズム、サーガディアンリズムともいいます。

起床時には窓のカーテンを開け、太陽光を取り入れることで脳が「朝である。起きよう。」と認識します。ベッドから離れることで脳が活性化します。

しかし、ベッド上で常に寝たきり状態だと、脳が活性化しません。

そのため、認知症の進行が進んでしまうというおそれがあります。ベッドから離床してフロアで食事をとるという刺激が認知症の進行を遅くするためには大事であるということです。


それに、一日中ベッドで寝た切りというのは退屈ではないでしょうか。QOLが高いとはとても言えないと思います。

体力的に一日中の離床が困難であったとしても、数時間の離床ならば可能であると思います。

もちろん、身体に負担の少ない車いすを選ぶ必要があります。

身体の状態(ADL)にあった車いすに座り、フロアに出たり、施設内を散歩することが脳には刺激になります。

たとえ少しの時間であっても、フロアに出てくるというのは寝たきりの高齢者にとっては刺激になります。

ですので、本人の体調が悪く無かったり、施設内に感染症が広まっていない限りは、居室のベッドで食事介助をするのではなく、フロアで食事介助をしたり、施設内を車椅子で散歩したりしたいですよね。

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